『春が来た』観劇
2004年4月5日中日劇場へ『春が来た』を観劇してきた。
東京公演がなかなかの好評だったので、かなり期待してたのだけど、正直観終わったあと満足感じゃなく欲求不満が残ってしまった。
どうもこんなふうに感じたのは、やはり私だけだったみたいで、今回はファンクラブのテーブルに入会の申込書が置いてあったのだけど、帰りにはほとんど無くなっていた。
1部は向田邦子さんのいくつかの作品を向田さんのエピソードも交えて朗読するのだけど、ぶんちゃんは感情移入しすぎでまるで台本を読んでいるように読むので(まあお芝居がかった朗読なのでこれはこれでいいのかも)私の中にそのストーリーがなかなか入ってこなかった。
他の共演者の方たちは、それほど感情を入れることなく朗読されてたのでストーリーがわかりやすかった。
途中で河相我聞さんがピアノを弾くところがあるのだけど、
下條アトムさんに楽譜を渡されるときに「今できあがってきたばかりだから」と言って渡されるのに
河相さん、その楽譜をピアノの上に置いてしまって楽譜を見ないで弾いてしまった。
下條さんからつっこまれていたけど、河相さん「東京でもやってましたから」と笑って逃げていた。
なかなか上手な演奏だったので、下條さんからご褒美と言ってクッキーをもらっていた。
というのは、朗読の途中にブレイクタイムと言ってぶんちゃんと松原さんがコーヒーとクッキーを運んでくるの。
平野弥生さんが4人の朗読の間、ピアノを弾いてくれているので、その平野さんのピアノのところにぶんちゃんがコーヒーを持っていってあげたのだけど、すごく優しそうな笑顔で置いてあげてたので平野さん恐縮しちゃって頭を下げていた。
ぶんちゃんの優しさが垣間見れた一瞬だった。
あと印象的だったのは、ぶんちゃんが朗読しているときの松原さんのぶんちゃんを見る目がすごく優しくて、本当のお母さんのように感じてしまった。
最後の作品「ゆでたまご」の朗読は、ぶんちゃんと他の人(誰だったか忘れてしまった)の朗読だったのだけど、その内容がすごく心を打たれるものだったので涙があふれてきた。
その後すぐにライトがついて休憩に入るのだけど、何人もの人が涙を拭いているのがわかった。
2部は1部の朗読を踏まえたうえでのお芝居。
ぶんちゃんは地味なOLの役。
河相さんとの何度目かのデートの時に家族のことを聞かれてついつい見栄を張ってしまって、父は「PR関係の仕事をしている」と言って河相さんに「社長さんなんだ〜」、母は「行儀作法にすごくうるさくて華道の先生してるの」、妹は「高校生なんだけど、詩を作るのが上手くて5万円の賞金をもらったの」「家は一軒屋で畳敷きの広いお部屋がいくつもあって、庭も広いの」
そのデートの帰りに二人でタクシーに乗るときに、運悪くタクシーのドアに足を挟まれてしまって河相さんが家まで送ってくれることに・・・。
なんとその家といったら、建てつけが悪く玄関のとびらを開けるのにも一苦労、家の中はマットや畳がいたるところ傷んでて見るも無残な家。
庭なんてどこにもない。
お父さんはステテコ姿で寝転んでいて、お母さんはヨーグルトの宅配でお父さんの靴下を借りてはいている。
娘が彼氏を連れてきたので、家中おおさわぎ!!
お母さんが「お寿司でも頼みましょうか?」と言ったら、妹が「何年ぶりだろう?!」って。
河相さんの役は商社マンで将来を嘱望されている人。
でも、このアットホームなところが気に入ってデートのたびに家によるようになるの。
だから、お父さんも段々と男らしくなってくるし、お母さんもお化粧をし始めて女性らしくなってくし、妹はお兄ちゃんができたようだと、ぶんちゃんも初めは黒ぶちのメガネをかけてたのに段々と綺麗になっていくし、まさしく家に「春が来たようだ」と皆嬉しそう。
だけどある日、お母さんが「一番春が来たのは直子(ぶんちゃん)よね」「そう思っていいでしょ?」って河相さんに。
河相さんも「そうですね、この春ぐらいには」と言ったら
お父さんが「あんたも肩の荷が重くなるね」ってポロリと酔っ払いながら。
その後も何回もデートは続くのだけど、ぶんちゃんが家族と一緒だとつまらないからもう家には来ないでほしいって。
そしたら河相さんが「お父さんの言った意味が初めは何を言ってるのかわからなかったけどやっとわかってきたので、切り出せなかったけどもう別れようと思ってたんだ」
そんな日に限ってお母さんが「今日三越でバーゲンやってて思い切って留袖買っちゃった」っておおはしゃぎ。
「おまえもそろそろ用意しないとね」って。
ぶんちゃんは複雑な様子。
そのときに急にお母さんが「頭が痛い!痛い!」って気絶してしまうの。
結局、お母さんはそのままあの世へ・・・。
四十九日が済んで家族も落ち着いてきてぶんちゃんが一人家で留守番しているところへ、河相さんが「近くまで来たものだから、もう立ち寄れる立場じゃないけど」「皆さん変わらず元気? お母さんも」
ぶんちゃんから出てきた言葉は「うん、皆変わらず元気だよ」
「じゃあ」って河相さんが去っていって
ぶんちゃんが一人家の中で「本当はね・・・・」で幕が降りるの。
なんだか、書き込みしてるとだんだんと舞台がよみがえってきて悲しくなってきた。
幕が降りて後ろの年配のお客さんが「こういう終わり方もいいものね」って言っていた。
書き込みするまでは「つまらない舞台だったな」って思ってたのに・・・。
なにか心の中がしんみりほっこりしてきた。
やっぱりみんなが言ってたようにいい舞台だったんだ〜。
東京公演がなかなかの好評だったので、かなり期待してたのだけど、正直観終わったあと満足感じゃなく欲求不満が残ってしまった。
どうもこんなふうに感じたのは、やはり私だけだったみたいで、今回はファンクラブのテーブルに入会の申込書が置いてあったのだけど、帰りにはほとんど無くなっていた。
1部は向田邦子さんのいくつかの作品を向田さんのエピソードも交えて朗読するのだけど、ぶんちゃんは感情移入しすぎでまるで台本を読んでいるように読むので(まあお芝居がかった朗読なのでこれはこれでいいのかも)私の中にそのストーリーがなかなか入ってこなかった。
他の共演者の方たちは、それほど感情を入れることなく朗読されてたのでストーリーがわかりやすかった。
途中で河相我聞さんがピアノを弾くところがあるのだけど、
下條アトムさんに楽譜を渡されるときに「今できあがってきたばかりだから」と言って渡されるのに
河相さん、その楽譜をピアノの上に置いてしまって楽譜を見ないで弾いてしまった。
下條さんからつっこまれていたけど、河相さん「東京でもやってましたから」と笑って逃げていた。
なかなか上手な演奏だったので、下條さんからご褒美と言ってクッキーをもらっていた。
というのは、朗読の途中にブレイクタイムと言ってぶんちゃんと松原さんがコーヒーとクッキーを運んでくるの。
平野弥生さんが4人の朗読の間、ピアノを弾いてくれているので、その平野さんのピアノのところにぶんちゃんがコーヒーを持っていってあげたのだけど、すごく優しそうな笑顔で置いてあげてたので平野さん恐縮しちゃって頭を下げていた。
ぶんちゃんの優しさが垣間見れた一瞬だった。
あと印象的だったのは、ぶんちゃんが朗読しているときの松原さんのぶんちゃんを見る目がすごく優しくて、本当のお母さんのように感じてしまった。
最後の作品「ゆでたまご」の朗読は、ぶんちゃんと他の人(誰だったか忘れてしまった)の朗読だったのだけど、その内容がすごく心を打たれるものだったので涙があふれてきた。
その後すぐにライトがついて休憩に入るのだけど、何人もの人が涙を拭いているのがわかった。
2部は1部の朗読を踏まえたうえでのお芝居。
ぶんちゃんは地味なOLの役。
河相さんとの何度目かのデートの時に家族のことを聞かれてついつい見栄を張ってしまって、父は「PR関係の仕事をしている」と言って河相さんに「社長さんなんだ〜」、母は「行儀作法にすごくうるさくて華道の先生してるの」、妹は「高校生なんだけど、詩を作るのが上手くて5万円の賞金をもらったの」「家は一軒屋で畳敷きの広いお部屋がいくつもあって、庭も広いの」
そのデートの帰りに二人でタクシーに乗るときに、運悪くタクシーのドアに足を挟まれてしまって河相さんが家まで送ってくれることに・・・。
なんとその家といったら、建てつけが悪く玄関のとびらを開けるのにも一苦労、家の中はマットや畳がいたるところ傷んでて見るも無残な家。
庭なんてどこにもない。
お父さんはステテコ姿で寝転んでいて、お母さんはヨーグルトの宅配でお父さんの靴下を借りてはいている。
娘が彼氏を連れてきたので、家中おおさわぎ!!
お母さんが「お寿司でも頼みましょうか?」と言ったら、妹が「何年ぶりだろう?!」って。
河相さんの役は商社マンで将来を嘱望されている人。
でも、このアットホームなところが気に入ってデートのたびに家によるようになるの。
だから、お父さんも段々と男らしくなってくるし、お母さんもお化粧をし始めて女性らしくなってくし、妹はお兄ちゃんができたようだと、ぶんちゃんも初めは黒ぶちのメガネをかけてたのに段々と綺麗になっていくし、まさしく家に「春が来たようだ」と皆嬉しそう。
だけどある日、お母さんが「一番春が来たのは直子(ぶんちゃん)よね」「そう思っていいでしょ?」って河相さんに。
河相さんも「そうですね、この春ぐらいには」と言ったら
お父さんが「あんたも肩の荷が重くなるね」ってポロリと酔っ払いながら。
その後も何回もデートは続くのだけど、ぶんちゃんが家族と一緒だとつまらないからもう家には来ないでほしいって。
そしたら河相さんが「お父さんの言った意味が初めは何を言ってるのかわからなかったけどやっとわかってきたので、切り出せなかったけどもう別れようと思ってたんだ」
そんな日に限ってお母さんが「今日三越でバーゲンやってて思い切って留袖買っちゃった」っておおはしゃぎ。
「おまえもそろそろ用意しないとね」って。
ぶんちゃんは複雑な様子。
そのときに急にお母さんが「頭が痛い!痛い!」って気絶してしまうの。
結局、お母さんはそのままあの世へ・・・。
四十九日が済んで家族も落ち着いてきてぶんちゃんが一人家で留守番しているところへ、河相さんが「近くまで来たものだから、もう立ち寄れる立場じゃないけど」「皆さん変わらず元気? お母さんも」
ぶんちゃんから出てきた言葉は「うん、皆変わらず元気だよ」
「じゃあ」って河相さんが去っていって
ぶんちゃんが一人家の中で「本当はね・・・・」で幕が降りるの。
なんだか、書き込みしてるとだんだんと舞台がよみがえってきて悲しくなってきた。
幕が降りて後ろの年配のお客さんが「こういう終わり方もいいものね」って言っていた。
書き込みするまでは「つまらない舞台だったな」って思ってたのに・・・。
なにか心の中がしんみりほっこりしてきた。
やっぱりみんなが言ってたようにいい舞台だったんだ〜。
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